貸別荘から個人別荘そして、いずれ移住へ ―御子柴様の八ヶ岳暮らし―
47歳で別荘を購入。定住するまでは貸別荘として有効活用
平成7年に建てられた御子柴(みこしば)さんの別荘は10年間貸別荘として利用させていただいています。
47歳で別荘を持った時から、定年を迎えたら定住をする予定で、目下計画は着々と進行中だそうです。
「リタイア後は温泉のある暮らしもいいなと思って安曇野なども見学に行きました。
『父から八ヶ岳の南麓は環境が良い』と勧められ、見に来て、まだ造成中のこの区画に決めました。
残念なことに勧めてくれた父は八ヶ岳を求める前に亡くなってしまったのですが。
家が出来てからは、昨年米寿を迎えた母や、母の面倒を見てくれている兄達も、何度もここに通うようになりました」
「八ヶ岳は空気がいいし、水がいい。2リットルのペットボトルに何本も車に積んで帰り、自宅で炊事に使ったりお茶にしたり。
母は『温泉でもないのに、ここのお風呂はなかなか冷めないし、1週間で肌のかゆみがすっかりなくなった』と喜んでいます」
建物は在来工法の凝った間取り。
玄関ポーチはテラスを兼ねた八画形、それを挟むように LDKと和室が続く。
「設計士さんに、風通しが良く日差しが入る建物をと言ったらこうなりました。
大工さんはだいぶ苦労したようで、直角でなく斜めに納めなくてはならないつなぎ目を、どうやったらきれいに見せられるか、
家に持ち帰って研究した、と言っていました。
内壁もよくある米松でなく ノルウェー産のパイン材を使って、明るく気に入った建物になりました」
貸別荘にした理由を伺うと「当時は節税対策もあったのですが、自分達が使うときにも 閉めっきりでなく、
いつも掃除がされてきれいだし、建物がいつも乾燥して快適なのがいいですね。
ゆくゆくは住むつもりですから、使ってい ないと建物が痛んでしまうので。
それまでは自分達が使わない時は使ってもらったほうが皆さんに喜んでもらえるし」とお話しいただきました。
御子柴さんご自身、ここへ来るたび、床はもちろん手垢のつきそうな電気のスイッチ周りまでワックスをかけるほど、家を大事にされている。
奥様は太極拳、英語、お花、ピアノなど多くの趣味をされ、将来は別荘の庭に陶芸窯が欲しいとおっしゃっている。
その作品はとても素人が趣味で作ったものとは思えない、堂々として味わいのあるものばかり。
「主人には昔やっていた自転車と、木工作と車くらいしか趣味がないんですけど、私は趣味がたくさんで」とおっしゃる奥様。
ご主人は介護の資格を取得され、将来に活かそうとされている。
「勤めていた会社で福祉関係の仕事に携わった事がきっかけで、将来性があり、やりがいのある仕事に魅力を感じ、2年かけて資格をとりました。
あと5年で定年ですが、ぱっとこちらへ来て好きな事をして暮らしたい。
できればケアマネージャーの仕事があ ればと思っています」リゾートに暮らすなら体が動く若いうちから、という話を良く聞く。
今回、御子柴さんご夫妻を訪ね、定年後の人生をより積極的に楽しもうとされているのを見て、
「リタイア」と言うのはリゾートには似合わない言葉、まさに「第2の人生」と言うのがぴったりだと感じました。
(この記事は2006年のインタビューです)
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