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暮らす人の声

葉山から、八ヶ岳へ。八ヶ岳スタイル18号

葉山から、八ヶ岳へ。八ヶ岳スタイル18号

八ヶ岳スタイル18号 前本利彦・ゆふ様ご夫妻

相模湾や富士山を望むことのできる神奈川県葉山。御用邸でも有名な通り、リゾートライクな暮らしをするには人気の町。その葉山から昨年の6月に八ヶ岳へと移住したのが、今回ご紹介する前本様ご夫妻。お二人とも日本画家として活躍されながら、静かな理想の地を探し続けた結果、この地へと辿り着くことができた。

富士山が見えることが、ここでは普通だった。

八ヶ岳 別荘

海が見える、富士山が見えるというだけで割高というのが葉山の常識。そんな葉山に別れを告げて、ここ八ヶ岳に来てみると、夏には木々が葉を生い茂らせ、秋の訪れとともに紅葉が始まり、そして落葉樹の葉が散り始めると窓から富士山が見え始める。そんなロケーションにあるのが前本様ご夫妻のお宅。
 しかし、落葉した木々の間から富士山の姿を発見したのは、入居してから半年ほど経った後のことで、ロケーションのよさを改めて実感したという。ご夫婦で日本画家として活躍されている前本様ご夫妻。結婚して以来何度となく引越しを重ねてこられ、今、八ヶ岳に到着した。
 「ここ10年ほど、いろいろなところをずいぶんと見て回りました。ここを知ったのは、『欲しいリゾート』という雑誌。泉郷の方とは何度もいろいろとお話して、大変親切にしていただき、どの方も信頼できました。」とご主人。
 八ヶ岳以外にあちこちの場所を何度も見たが、アトリエにしたいと思えるところがなかなか見つからず、八ヶ岳はご主人が一人で見に来られた。「またダメだったのかな」と思っていたら、「いいところだった」と言うので、奥さまは現地を見ずにすぐに契約。昨年の6月に入居し、晩秋を迎える頃になったら富士山が見える家だったことに驚き、泉郷の場所のよさを一層実感されたとのこと。
 「初めて来た時は、周囲の環境のよさが一番の魅力でした。葉山に引越したのは今から20年前ですが、静かな所だったのが、徐々に賑やかになってきたので、広くて静かなところに移りたかったんです。」
 仕事柄お二人は仕事に集中できる環境であることを何よりも優先する。
 「別荘地も見てみましたが、作られすぎた自然があったりするところが多かったですね。それが、ここ泉郷にはなかった。自然はありのままで、ごく普通だったのがよかった。」とご主人が初めて八ヶ岳を訪れた時の印象を語る。

本当に冬を越せるの?

八ヶ岳 別荘

画家でありながら、モデルの経験も長い奥様。
日本画家、加山又造氏のモデルを長年務め、共著「画文集・ゆふ」もある。
描く人間との緊張感溢れる闘いがモデルの仕事、そんなプロとしての佇まいを感じた。

 「みなさんに心配していただきました。本当に大丈夫ですか?って。特に冬が心配だと言われました。」と奥様。ご主人は生まれが北海道で寒さには強いので、二人ともどこでも暮らしていけるだろうと、実はご本人たちはあまり心配していなかったご様子。
 「初めての冬を過ごしましたけど、特に困ったことはありませんでした。今年の冬は例年以上に寒かったようですけど。雪が降ればすぐに雪かきしてくれるし。毎日入る温泉(花いずみの湯)のおかげで寒くはありませんでした。泉郷の温泉は保温力が高く、陽の高いうちに入っても湯ざめせず寝るまでポカポカです。この冬、テラスの寒暖計が零下12度を記録した日、手袋をせずにゴミを出しに行って帰るまでの短い間なのに手の指が凍って(!)いくら暖めても治りませんでしたが、温泉に入ったらすっかり温まりました。今では毎日温泉に通っています。そのせいか冬中、手や足が冷たくなることはありませんでした。寒いところに温泉がたくさんあるのは神様の思し召しかもしれませんね。」
 毎日の日常生活でも、特に不便に感じることはないと言う。
 「小淵沢にある道の駅が好きです。お野菜の美味しさと安さにはびっくりしました。お友だちからはお魚はどうするの?って聞かれますけど、近くにあるひまわり市場(食品スーパー)でとてもよいお魚を売っています。それに、以前から使い続けていたものは、だいたい電話で注文すればどんな時でもすぐに届けていただけますし、不便だと思うことはありません。それよりも心配していたのは車のことです。主人は運転しませんし、私は一度も寒いところで運転した経験がありません。どなたに伺っても『4WDでなければ無理』だとか、『冬はどこへも行けない』とか、『凍結が一番危ない』とか、ますます心配になるばかりです。20年以上大切にしてきた愛車を買い替える気持ちになれなかったので、スタッドレスタイヤに履き替え、早朝と陽が沈んでからは車に乗らないことにしました。おかげで家にいる時間が多かったので、暖かい服やカーテンを縫い家中に丈の長い厚手のカーテンを付けました。それは断熱にとっても効果があり、暖かいお部屋でゆっくり過ごせました。実際には、雪は降ってもすぐに溶けるし、スタッドレスタイヤだけの4WDでない私の車は安全に走ってくれましたので、それ程大変さは感じませんでした。」
 「便利すぎるのもどうなの?って思う。不便さや困ったことがないと、人間って知恵が出ないでしょ。メディアやインターネット、携帯電話、24時間営業のコンビニ。便利さに慣れすぎてしまっているし、何か煮詰まっているんじゃないかな、特に東京は。そこに今回の大震災が起きて、さらに混乱しているように見えますね。」と、ご主人はモノや情報が溢れすぎている今の日本の状況に危機感を感じている。
 前本様邸にはテレビだけではなく、インターネットもない。携帯電話は八ヶ岳に来て初めて持ったという。それでも不便さは感じない。
 「新聞は月に2回しか配達がありませんが、かえって趣のようなものを感じます。自分のスタイルで毎日コツコツと暮らしていれば大丈夫です。」

『八ヶ岳スタイル』とは?

セラヴィリゾート泉郷が発信する「快適な八ヶ岳ライフを実現するための地域情報誌」です!

八ヶ岳南麓(北杜市)で別荘・二地域居住・移住を叶えた方達の、そのプロセスや、現在の過ごし方などをお伝えするインタビューをはじめ、観光では気づきにくい地元情報やイベント・お店情報なども満載。 分譲地管理のページでは、豊かな自然の中ならではの困りごとの対処法や豊かな四季の暮らしを謳歌するために役立つ、多くのヒントをお届けしています。

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